車載ミリ波レーダーの総合試験システムをリリース

 ローデ・シュワルツ・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区 代表取締役:Klaas Hoekstein)は、2015年2月27日から、ITS社(米)およびmiro-sys社 (独)により開発されたAutomotive Radar Target Simulator (車載レーダー・ターゲット・シミュレータ。以下、ARTS)の発売を開始します。シグナル・スペクトラム・アナライザR&S FSWに搭載されたFM CW チャープ信号解析オプション、およびARTSを組み合わせることにより、車載レーダー・センサの開発および生産向けの革新的な試験ソリューションを提供します。

 レーダーは気象条件に関わらず、複数の物体の速度と距離を正確かつ迅速に測定することが可能です。このような理由を背景に、自動車産業分野において、アドバンスド・ドライバー・アシスタンス・システム (ADAS) を構成するテクノロジの一つとして、ミリ波レーダーの採用が加速しています。シグナル・スペクトラム・アナライザR&S FSW、およびFM CW信号解析オプションR&S FSW-K60Cを併せて使用することにより、車載レーダーに用いられているチャープ信号のリアルタイム特性評価を行うことができます。


実環境に即したシミュレーション環境を提供
ARTSは、車載レーダー試験のシナリオ向けに、複数のターゲットの距離、速度、及びサイズを動的に設定可能なシミュレーション環境を提供します。シミュレーションはデジタル信号処理によって行われており、さまざまな分野のレーダー、およびセンサ・タイプに容易に適用させることができます。それぞれ異なるパラメータで最大4つの独立したターゲットをシミュレーションできるだけでなく、その設定値をリアルタイムで表示できます。

レーダー・センサの開発および生産のための理想的な組み合わせ
ARTSとR&S FSW は、わずか1回の測定でレーダー・センサの評価において重要となる複数のパラメータ評価を行うことができます。また、取得されたデータは、自動的に解析・評価しやすい形に処理されます。この試験ソリューションは、開発、生産、品質保証から認証試験に至るまでの各ステージにおいて、強力なアドバンテージを提供します。以前は、レーダー・センサの評価を行う場合、光学式遅延線など、ある一定の距離(固定値)を模擬するシミュレータに頼らざるを得ませんでした。しかしながら、この方法では、ある地点に存在する、一つ、ないし二つの動かないターゲットしかシミュレーションできないため、速度や角度のパラメータの変化を把握することができませんでした。今回リリースされたソリューションを用いることで、レーダー・センサ・チップセットの開発段階において、より現実に近い試験シナリオを研究室に居ながらにして行うことができるようになります。例えば、速度や距離の異なる複数の自動車をシミュレーションできるだけでなく、さまざまな環境をシミュレートしたストレステストを実施することも可能です。これによりチップセットの開発者は、センサの信号処理アルゴリズムの検証を製品開発の早い段階から行うことができるようになります。

また生産ラインにおいては、適切なPass/Fail判定マージンを持つ一連のレーダー・センサ向け試験シナリオを最初から行うことができます。シミュレータは1 mに満たない距離での試験が可能であり、試験用チャンバーの小型化を可能にします。これにより省スペースで試験が実施できるため、走行安全関連のレーダー部品の検査をランダム検査で終わらせることなく全数検査をすることが可能となります。

さらに、ユーザは試験シナリオを独自に定義し、シミュレーションを実行することも可能です。関連するシステム・パラメータがユーザ向けに用意されており、自動車産業で必須となっている試験内容の書類作成作業を無駄なく行うために、測定の最中でもパラメータの保存が可能です。

R&S FSWによる複雑なレーダー信号の解析
シグナル・スペクトラム・アナライザR&S FSWは最大500 MHz解析帯域幅でのレーダー信号測定と自動解析を可能にします。 またFM CW信号解析オプションR&S FSW-K60Cを用いることで、送信周波数が広帯域で線形にランプアップするチャープ信号について、チャープ・レート、チャープ長、チャープ・レート偏差などの項目の特性評価が行えます。R&S FSWは世界で唯一、分解能帯域幅(RBW) 50 MHzでのスイープモードによる測定が可能なスペクトラム・アナライザであり、欧州における77 GHz~81 GHz帯車載近距離レーダー向け規格ETSI EN 302 264 1 に準拠した測定を実現します。R&S FSWは24 GHz帯の測定には同軸による直接入力で対応し、77 GHz帯の測定には外部ハーモニック・ミキサを用いることで対応します。

ITS社とmiro-sys社が開発したARTSは、独占販売権を持つローデ・シュワルツより発売されます。 詳細については、WebサイトRohde & Schwarz automotive T&M solutionsをご参照下さい。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ローデ・シュワルツについて

Rohde & Schwarzグループ(本社:ドイツ・ミュンヘン)は、無線通信の分野に特化し、電子計測、放送、セキュリティ通信、無線モニタリング、サイバーセキュリティにおいて世界をリードしています。設立から81年、世界70カ国以上に拠点を持ち、約9800人の従業員を擁しています。グループの年商(会計年度2013/2014)は、約18億ユーロに上ります。